−『No.6』−

解説:
義男はこの日を待っていた。
数々の予選をくぐり抜け、このあこがれのステージに立って、
このホールにいるすべての人達に自分の歌を聴いてもらうことを。
義男にふられた番号は”6番”だった。
彼にとって、6という数字は、あまり思い出のない数字だった。
それゆえ、思い出のない数字に(できるならば良い)思い出を作ろうと思う気持ちが強かった。
1〜5番の人間が何を歌っていたのかは、気にしていなかった。
ただ、気になるのは、自分は大丈夫かどうかだけだった。
ついに、自分の番がやってきた。
義男はステージの上に立ち、観客全員をすこし上目使いにして見ていた。
歌おうとしたら、目が覚めた。
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